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鱒と戯れる誇り高き「釣り人」として、少し考えていただきたいことがございます。
初めて間もない方からベテランアングラーの方まで、次世代の釣り場の為に一緒に考えて下さい。

お願い(誇り高き釣り人へ) 2009年吉日






「生きている渓流魚」を釣り上げた時にご留意いただきたいこと   5/13更新





当ギャラリーで過去にご紹介させていただいた投稿写真は、現在はオフィシャルFBページへと、その役割を移設いたしました。FBページでは、釣り人の思い出に残る釣りシーンの写真などをご紹介させていただきますが、渓流魚を撮影いただく際に御願いしたいことが数点ございます。
渓流魚などの写真をこれから撮ってみよう…という方は、これからも末永く釣りを楽しんでいくためにも、以下の項目に留意して釣り&撮影を楽しんでいただければ幸いです。





「出来るだけ速やかに撮影を済ませる」





渓流魚、特にヤマメ・アマゴ類は、新鮮な水流(つまり酸素)が無い環境下では直ぐに弱ってしまうそうです。
リリース前提ならば、
素早く流れに返してやることは、釣り人の誇りであり義務であると思います。撮影欲に支配されてリリースする筈だった魚が弱ってしまっては本末転倒ですからね。むやみに撮ろうとしない自覚も必要かと思います。…特に鱒族は、鰓(エラ)に損傷を受けることが一番ダメージを受けるそうです。出来るだけ空気を吸わせない…つまり魚を水中からできるだけ上げないことが、鱒を弱らせない重要なポイントと言えそうです。

また、複数尾の魚の集合写真を見かけますが、偶然連続で釣れる場合を除き、敢えてそれを狙って長い間魚を網などにキープするのは、生きている魚にとっては決して良いことではないと思います。

諸外国の釣り場では、撮影に限らずリリースの義務や捕獲の際の尾数制限などのレギュレーションに厳格な国が多く、日本の今の実態は目を覆いたくなるような映像が「釣り場」「雑誌」「インターネット」に溢れ、非常に恥ずかしく残念な状況と言わざるを得ません。(死んでしまった鱒を高く掲げてニコリと笑う写真…見ても嬉しくありません)
美味しく戴くなら速やかに確保すべきと思いますが、死んだ魚をなりふり構わずいつまでも撮る…撮られる様子には、甚だ飽きれます。流れに戻してやること前提に最小限の撮影に留める…もしくは撮らずにさっと逃がしてあげて欲しい…そう思いませんか?
美味しく戴くのなら、その鱒の命尽きた写真は撮らないで…そう願う私の感覚はおかしいでしょうか。
生かして、リリースしてこそ、写真を残す意味があると思うのです。

逃がすなら素早く撮ってリリース、美味しく戴く時も速やかに…。
魚の「生」に立ちあうケジメは、釣り人の「誇り」によって保たれると信じます。
戴く魚には合掌。美味しく戴きましょう。 キープはその日に戴く自分の家族分に留めて欲しいと思います。
冷凍保存するほど釣っても、決して美味しくありませんし、食糧としての鱒なら魚売り場で買える時代です。
逃がすなら素早く確実に。中途半端なリリースは無意味になってしまうことも…。
一人一人がちょっと気をつけるだけで、きっと大きな成果が生まれるでしょう。

自分一人だけなら良いかな…という行為も、10人分重なれば同じこと。
産卵を控えた鱒や親魚として十分な増殖が期待できる大型の成魚は極力リリース…。
生態系が破滅に追いやられた川の実態を数多く知っているのも、やはり釣り人ですよね。
そうやって人は地球環境を大きく破壊してきたのだと思います。









「出来るだけ水中から魚を上げない」


キャッチや撮影の際に鱒に触れる時は、手を水にしっかり濡らし、冷やしてから行った方がベターであることは多くの書籍やメディアでご紹介されてきた通りかと思います。
釣れた魚をネットでランディングする際も、乾いた網を必ずしっかり濡らし、できるだけ優しく掬うよう御願いいたします。
  それから…



魚の体表は外的や細菌などから身を守るために粘液(通称「ヌル」)に覆われており、乾いた手や網でこれがこすれ落ちると、抵抗力が奪われるそうです。従って、手を水に濡らして…というわけなのですが、そのことよりも前出の鰓(エラ)の損傷を避けて兎に角早く水中に戻してやること…が非常に重要らしいよ…と、知人が語ってくれました。この件については、もう少し詳しく調べてみようと思います。

また、撮影のためとはいえ、人の手や他の人工物で鱒を
無理やり押さえつけるようなことは、当然ながら絶対タブーですし、日の照りつける石やコンクリート護岸の上にズリ上げたり、乾いた砂や泥まみれの陸上に上げて放置したりすることも、同様に鱒の命にかかわります。止まれずに引き上げる際は、適当な水辺を探して誘導することは、多くを経験した釣り人ならご存知ですね。
必要以上に魚に触れない配慮…つまり、
「出来るだけ水中から魚を上げないこと」が重要なのです。
但し、おっかなビックリに針を外すのも考え物ですね。ちょっと横着に見えるかも知れませんが、針を外すことにもたついて、鱒が弱ってしまうくらいなら、いっそしっかりと魚を握って、安全且つ確実に、そして素早く針を外してあげることも、鱒にとっては有難い場合もあると思います。

同様に、鱒の鰭(ヒレ)が食い込んでしまうほど極端に目の粗いネットで掬ったり、適度な目のネットであっても、空中へ高く持ち上げたまま、長時間持ち歩いたりすることは、鱒に致命傷を与えることになりかねません。

また、大型の鱒などを「記念撮影に」と魚を水上高く持ち上げて撮ってもらう事があるかと思います。
心弾む瞬間ですが、ワンチャンスをモノにして、撮影は最小限に留めましょう。
鱒を持ち上げるのではなく、人間の方が水辺に歩み寄って、鱒に頬ずりするほどの愛情深い撮り方をして欲しい…自分はそう撮りたいな…と個人的には思います。

人が水中で長時間静かにしていることは無理なのと同様、魚もおそらくは苦しい筈。
ましてやお腹や首を支えられて、長時間持ち上げられてはたまりませんからね。

リリースしてあげるのなら、素早くキッチリと対処したいものです。







「撮影環境を整える」


撮影場所は、流れの脇に泥や砂礫が少なく、フレッシュな流れを維持できる場所を選ぶ、または自分で素早く造成します。
適度な水深で比較的緩やかな流れであれば、ネットインのまま流れに委ねて撮るのも、素早く撮影を済ませる方法の一つです。





泥まみれの水流にいきなり誘導しても、魚の鰓にダメージを与えますから、先ずは魚をネットに入れるなどして、適度な流れの淵にでも横たえておき、撮影準備を済ませます。
波立ちや太陽光線、魚の向きなどに気を配りながら撮影する際、思ったようにいかないことも多々あるかと思いますが、鱒の顔を遮光してやるなど、無理なく撮影に誘導するテクニックもいくつかあり、これらも経験で勝ち取れる釣りの「技」だと思います。


いつか機会をみてご紹介したいと思います。








「トリプル(トレブル)フック」はトラブルのもと


フックですが、魚が突然暴れたりすることも想定し、撮影の際は顎から外しておくことをお勧めします。
また、魚をリリースする前提であれば、トリプル(トレブル)フックは避けて
シングルフックのバーブレスの使用をお勧めいたします。




その理由ですが…


1.トリプル(トレブル)フックは必要以上に魚にダメージを与えやすい。

一度魚を掛けてみればその説明の必要は無いほど良く判ります。
魚の口の中は、外すには大変なことになっていますね。
必要以上に複数箇所に刺さるため、なかなか外れずに結果的に魚が絶命することも。
特に鰓(エラ)などから出血するような刺さり方は、魚に大きなダメージを与える事になりかねません。
鰓(エラ)や眼からドクドクと血流が流れ出す鱒を見て自己嫌悪になったこと、有りませんか?
本来、魚をキャッチするには、針が「1本」掛かっていれば良いのですが、この「トレブルフック」を外すためには、結構暴力的な負荷を要することが多々あります。皆さん、よく御存じの通りです。

過去に群れる渓流魚めがけて「スレ掛かり」を故意に狙う輩を見た折には言葉を失いました。
食わせるというよりは魚体に「引っ掛ける」フック構造が、そんなことも可能にしてしまう。
そこまでして釣果を得ても、私は嬉しくありませんし、釣った気がしません。
「漁」…なら別ですが。
後味の悪い釣りをするくらいなら、しないことです。



2.釣り人自身にとっても危険な凶器であること。

釣具の中では最強の「凶器」となります。
不用意に触ると、簡単に指の肉を貫通しますが、これが自分や友人の指に
同時に複数本となると、気の弱い方ならきっと卒倒します。
万が一に備えて、少なくともバーブは必ず潰しましょう。傍で一緒にゲームする友人の為にも。

もし運悪くバーブ付のフックが刺さった場合は、元の軸の元をペンチなどで切断し、1本づつ刺さった方向に針を抜ききります。…気をしっかり持って。

シングルフックのバーブレス
なら、そんな必要なく簡単に抜き戻すことができることは言うまでもありません。



3.ネットに必要以上に絡みつきます。

百聞は一見に如かず。
一度魚を掬ってみればその説明の必要は無いほど良く判ります。
恐ろしく複雑に絡んで、なかなか外れません。
結果、魚体にダメージを与えることになりかねません。





我々が楽しんでいる釣りの目的は、「ゲーム」であり「漁」ではない筈。
掛けた以上は必ず獲る…という発想は、どこか暴力的だと私は思います。
「鱒を掛けた」事実だけでも満足を得ることが出きる幸福な釣り人を、私は心から尊敬し、自分もそう有りたいとも思います。

フックの役目は故意に「魚体に引っ掛ける」為のものではないですし、「予備のフックが掛かればラッキー」的な発想も違う…と思うのです。仮にそれで釣れても、魚に対する圧倒的(暴力的)優位の結果に過ぎないのではないでしょうか…



フックは魅了して喰わせ、口に掛けるもの。



狙う魚が1匹なら、フックは一つあれば充分勝負できるとも。


また、実際にシングルフックを常用しているアングラーの多くは、「バラシ難さ」を口にします。
トリプルフックの取り付け構造をみれば容易に想像が付くこと…捻じれれば外れやすいこと も、多くの釣り人は気づいていることですね。フレキシブルにゲイプが魚と連動するシングルフックとは大きく異なります。
バレ易く、しかも危険となれば、
バーブ付きトリプル(トレブル)フックを使用するメリットは、もはや暴力的な「掛かりやすさ」以外には見当たりません。






最後に…




初めて訪れたフィールドで、初めて仕留めることができたターゲットの傍らで、
打ち寄せる喜びと感動に「忘我」となる自分。
…そんな瞬間、これからもずっと大事にしたいですよね。







ビギナーの方は勿論、永くルアーフィッシングに関わってきた方へ

フックのチョイスについて、今一度考え直してみることを御願いいたします。
自分自身の釣りのスタイルをより豊かにするために
そして、次世代の釣り人とフィールドのために。





プロとしてルアーを製作する作り手やメーカーさまへ

シングルフック問題。
泳がせの重心やバランスを口実に挑戦を諦めているのでは…?
鱒の口に掛かる針は「1本」で良いと思うのは私だけでしょうか。
鱒の口元や鰓に無残に絡む複数の三本針がまだ必要でしょうか。

2011年、心ある幾社かのメーカーさまがトライアルしている姿を拝見しました。
多くの釣り人に受け入れられ、広まるには時間がかかるかも知れませんが、
実釣面でもメリットのある試みに、期待に胸が膨らみます。
トリプルフックでも、バーブレスに拘って使う釣り人が随分と増えてきているのは
過去を顧みて、とても良いことだと思います。

多くの人々が永くこの釣りを楽しむためにも、強い理念に基づいた
固定観念に囚われないタックル作りを、今後とも宜しく御願いいたします。





フライ・ルアー・テンカラフィッシャーの皆様へ

シングルフック(バーブレス)の使用を皆様に強くお勧めいたします。
ゲームとしてこの釣りを嗜む際の、最低限の心得として。






さまざまな釣りスタイルに関係なく…

釣り上げたポイントの最寄の適当な場所で速やかに撮影し、元居た流れに
戻してあげることは、「キャッチ&フォトアングラー」の最低限のルールでしょう。


かつて、川魚の職漁師の間では「種沢」と称して種の保存のために、
一切魚を殺生しない沢を毎年必ず残すルールがあったと聞きます。

そして、たまには美味しく戴き、命を戴くことへの感謝を忘れないこと。

大量に捕獲できる海の魚においても、昨今は種の維持と繁栄の
ための漁期設定や捕獲量調整など、保護しながら戴く時代です。
生息個体数が知れている渓流魚においては云うまでもないことですが、
根こそぎ獲ったりしないことを我々釣り人は身を以て次世代に伝承し、
釣り人としての誇りにして欲しいと願います。


次世代にも素敵なフィールドを残すためには、
時には無闇に撮らない、無闇にキープしない
…そんな配慮も必要かと思います。

更には、自然再生産が促される川の環境作りと維持。
これは国や関連団体の協力も必要でしょう。




釣り人にとって、「渓流魚がそこにいる風景」が最高に素敵ですからね。



「渓流魚」という、「限られた環境下に棲む、数限られた生き物…」
がゲームの対象なのです。


明日も釣りに行きたいのなら


次の機会にも「魚の顔」を見たいのなら


子供達にもこの楽しさを伝えたいのなら


自ずと釣り人には「守るべきルールと節度」が生まれます。


自然に対する感謝と敬意があれば、すべての釣り人は誇りを持って魚と対峙できる筈。


                           2009年 吉日 土屋真一


                  NZ / 美しい鱒達…そして誇り高き釣り人達が暮らす国。






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